新型BMW M4は猛烈ドリフトも安楽ハンズオフ走行も可能な万能ハイテククーペだった
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 201
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 201
エンジンは、おなじみ直6ガソリンターボで、最高出力480PS/6250rpm、最大トルク550Nm/2650-6130rpmと立派なスペックを誇る。試乗車はM4コンペティションというさらなるハイチューンが施された仕様で、同510PS/6250rpm、同650Nm/2750-5500rpmを発揮する。
速さ、特に加速力の指針であるパワー・トゥ・ウェイトレシオは3.39。空いた道路で実力のほんの一端を垣間見ようとアクセルを深く踏み込んでみると、言わずもがなの速さではあるものの、後輪は暴れることなくしっかりと路面をとらえ、タイヤのグリップ力の範囲で鋭く加速していくため、期待した猛々しさ、荒々しさを感じない。現代のハイパフォーマンスカーらしいといえばらしいのだが。
しかしこれならM440iと大差ない。あれだって387ps、500Nmもあって、そのうえ4WDだから発進加速は強烈だ。そう思ってオプション装備されたMドライブ・プロフェッショナルをいろいろいじってトラックモードを選び、さらに横滑り防止装置もタイヤの空転をある程度許容するDTCモードを選んでから同じことをしてみた。今度は猛々しさ、荒々しさしかなかった。サーキットでそのままアクセルペダルを踏み続ければ、直線が続く限り、どこまでもスピードが上がっていくのだろう。試乗車にはMドライバーズ・パッケージというオプションが備わっていて、通常250km/hのスピードリミッターが290km/hに引き上げられている。いるこれ?www まあ夢を見せてくれる。
最新のM4はこの種の電子制御ギミックが満載。Mドライブ・プロフェッショナルに含まれれるMドリフト・アナライザーを使えば、自分が行ったドリフト走行の時間、走行ライン、車両の角度などが記録され、さらに10段階で採点してくれる。ひとりでD-1グランプリが開催できるわけだ。これも290km/hの最高速と同じで、必要か不要かで論じるべきではない。面白いと感じる人だけが装着できるようにオプション装備なのだから。それにしても速さで行き着くところまで行き着いたハイパフォーマンスモデルがいろいろ模索しているのが見てとれる。
シートの作りでも述べたが、感心するのは速さそのものよりも、速さを受け止めるクルマ作りだ。まずボディ剛性が箱じゃなくて塊なんじゃないかと思えるほどしっかりしている。この絶大なる安心感があってこそ、しかるべき場面で活きる510PSだ。ボディ同様、ステアリングポスト、パドル、ペダルなど、操作系の剛性感も半端なく高い。公道を走るうえでは完全にオーバースペックのクルマだ。そのクルマで曲がる40km/hのコーナリングには、フルスペックのPCでテキストメールを返信するような、奇妙なぜいたくさがあるが、決して悪くない。もちろん山道を常識の範囲で活発に走らせる際には、加減速も旋回も最高に心地よい。
M4には6ポッドのMコンパウンド・ブレーキが標準で装備される。試乗車には耐摩耗性能、耐熱性能をより高めた、オプション価格107万5000円のMカーボン・セラミック・ブレーキが装備されていた。限界性能は想像するしかないが、レーシングスペックのブレーキだからといって赤信号で停車する際にキーキー鳴るわけでもなければピーキーな食いつき方をするわけでもなく、日常域でもスムーズに停車することができた。
ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能を含む最先端の先進安全装備が標準で備わる。「OK、BMW」と話しかけて機能を呼び出すことができるし、キー機能を記憶させたiPhoneがあればキーを持たずとも施錠、解錠、エンジン始動ができる。そしてあまり必要性を感じたことはないが、車両が直前に前進したルート(最大50m)を記憶し、 同じルートをバックで正確に戻ることが可能なBMW自慢のリバース・アシスト機能も備わる。すなわちサーキット走行を“も”考慮したM4は、家族のドライブや恋人とのデートにもなんの我慢もなく使えるいつものBMWでもあった。
ちなみにコンペティションではないM4ならば6速MTを選ぶこともできる。非日常性を求めてM4を選ぶならこちらもありだろう。さらにオススメはしないが、自慢の先進安全機能を省くことで約25kg軽量化したトラック・パッケージ(1460万円) を選ぶこともできる。コンペティションより112万円高いが、先述のMカーボン・セラミック・ブレーキ(107万5000円)やMカーボン・バケット・シート(52万1000円)他、走りに特化したオプションを標準装備している。
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